アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

小国スイスの知恵

人口700万ほどのスイスが周りの国から攻められることもなく独立を維持できる背景には20才~36才までの男子全員が毎年十数日間軍事訓練を受け、いざという場合は国民全員で国を守ると行動で示すことらしい。会社員が兵役期間に仕事を離れても給料はもらい続けることができる。国家のための兵役だから国が全面的に面倒をみるからだ。住宅の地下に造られている防空壕(核シェルター)にもその建設費用の約1/4が補助される。正確には連邦政府・州政府・地方公共団体の負担となる。一般家庭・各種施設・病院等に造られている核シェルターは30万か所に及び、更に5,100か所の公共の防空壕がスイスに存在する。実に人口の110%に相当する人間を収容できるというからスイスが他国により核攻撃を受けた場合でも外国人観光客を含めて安全が保障されているという。従ってスイスフランという産業が成り立つと説明される。充分に戦争に備えているから戦争が起こりようがないし、万が一核戦争が起こってもスイスにいれば安全という神話ができればこそ、スイスの通貨は戦争でインフレになり価値が極端に下がるという恐れもなくなり、資産として一番理想的な通貨であると。スイスの住宅をみせてもらって驚くのは地下室のドアが非常に重々しく重装備だからだ。防空壕の中は一見して単なる物置だが、換気装置とガスフィルタ-が設置されており、原子爆弾が投下されても住民は被害を免れることになっている。家を建てる者は原則として地下に防空壕を造ることが連邦法で義務付けられている。20才~36才の男子全員による毎年十数日間の軍事訓練と全国民をカバーして余りある防空壕が金の延べ棒を買おうとする層の一部の人々をスイスフランに向かわせる。やっぱり資産としては重量のある金の延べ棒より通貨の方が融通性があって便利だ。