アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

世界一短命の国の独裁者国王

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アフリカ南西部に人口120万のスワジランドという国がある。日本人の平均寿命は83才だが、この国は32才で世界一早死にだ。国連難民高等弁務官事務所統計=Swaziland: A culture that encourages HIV/AIDS(http://www.unhcr.org/refworld/docid/49e6ef2dc.html)昨年日本で発生したエイズ(HIV)感染者1,000人、発症者は過去最多の470人に対して、この国では成人の感染率26%、妊娠女性に限ると42%、20代の者に至っては50%以上とダントツのエイズ大国だ。その原因は多数の女性が小学校教育しか受けていないとか一夫多妻制が多いとか分析しているが、ここまで広まってくるといずれ国が滅びるという可能性も否定できない。そんな中でひとりぜいたくな生活をしている国王の退任を求めるデモが発生している。この43才の国王(Mswati 掘▲爛好錺謄三世)は少なくとも13人の王妃を侍らせ、国の司法・立法・行政の全権を握るアフリカ最後の絶対君主だ。数万人の未婚の少女らが踊る年に1度の舞踊祭で自分の眼鏡にかなう女の子を次々に王妃に迎えてきたこの男は、イギリスの高校を卒業した1986年18才でスワジランドに戻ってきて国王に即位した。前国王である父親(Sobhuza 供一夫百妻)には100人を超える王妃がいたので、その国王が1982年に死亡すると複数の王妃の摂政争いとなり、最終的に現国王Mswati 靴諒貎討摂政になってその一人息子を国王にした。 国民の7割以上が1日100円(US$1.25)以下で暮らす同国にあって、国王の資産は推定165億円(世界で最も裕福な王族15人のひとり)と同国1の大金持ち、国王は国家予算で買わせた37億円の自家用飛行機も所有しており、更に毎年国家予算の2.5%(約25億円)を王族予算として自己の贅沢三昧の生活に使っている。国際社会の経済支援は即国王の個人資産をうるおす。反国王勢力はこれまで徹底的に弾圧され続け、もはや国王に反対する同国人は生存していないと考えていたのだろうが、北アフリカ民主化デモに触発された千人規模のデモが先月発生、とりあえず国王が派遣した治安部隊により一部は逮捕され残りはゴム弾や放水で解散させられたものの、「この国王の下では国は滅びる」と危機感を持つ国民の感情は「喰うか喰われるか」「殺るか殺られるか」であり、いずれ命をかけて国王の命を狙うその時が来るだろう。南西アフリカの「国王の楽園」はいつ終焉を迎えることになるだろうか。