アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

破綻間近の米ドル

8月2日までに米国の借金枠が増えなければ国家の債務不履行(default, 会社の倒産)となるはずだったところ、直前の7月31日大統領と上院(民主党過半数)下院(共和党過半数)の代表者が借金枠の$2.1兆(約165兆円)増に合意し、国家の債務不履行を回避することができた。米国は法律で政府の財政赤字の累積上限額が決まっている。現在それが上限額$14兆2,900億(約1,100兆円)に達しており、8月の決済ができない状態だった。8月の米国政府の収入額は$1,720億しかないのに、支出額は$3,070億と1ヶ月で$1,350億(約10.5兆円)の支払い超過だ。借金枠の$2.1兆増を許可する条件として向こう10年で歳出を$2.4兆減らすというだけだから、破綻の時期を単にずらしただけとも解釈できる。日本の国債の95%は日本人(国内の金融機関等)が買っているが、米国債の半分以上は外国人(中・日・アラブ等の外人投資家)が買っているので、一度でも米国債債務不履行を起こすと以後売れなくなるか安くしないと売れない(=金利を上げる=コストが上がる)という事態になる。現在世界の基準通貨はまぎれもなく米ドルだが、これを機にユーロ・元・円・英ポンドなどに移るだろう。ついにアメリカの覇権が終わることになる。米政府はリーマンショック後、巨額の赤字を作って経済テコ入れ策をやったが、失業はなかなか減らないし、金融危機の元凶である住宅相場の値下がりも止まらない。経済指標は、崖から落ちるように悪化している。ギリシャも昨年来国家が破綻しかけて、EUから国債の元利返済用の資金を借りる救済の約束を取り付け、かろうじて破綻を免れた。しかしギリシャにはEUという親がいるが、米国にはその親はいない。債務不履行により米ドルの信認が落ち、格の下がった米国債を外人投資家に安く買ってもらうようになったら、現在77円の米ドルはやがて50円以下になるのだろう。一家の家計に直してみれば収入の範囲で支出額を決めなければならないということだ。我が国の借金も膨大な金額になっておりこのまま放置すると一年後には1,000兆円になる。そうなると国債の95%は日本人が買っているからまだましなどとのんきなことを言っていられなくなる。埋蔵金もなくなり、無駄も省いたら後は増税しかない。社会保障に使われるなら増税は正しい方向だと思う。