アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

カリブ海にもいた「朝原宣治」選手

韓国で行われた第13回世界選手権、男子陸上4x100で銅メダル(38.49秒)に輝いたのは人口わずか39,000人ほどのカリブ海の極小島国セントキッツ・ニビス(St. Kitts & Nevis 、正式名Federation of St. Christopher & Nevis)。このチームを初めて決勝戦進出の快挙に引っ張っていったのはKim Collinsという35才の選手。2008年北京オリンピック陸上4x100で日本が銅メダルをとったときの朝原選手は36才だった。Kim Collinsの100m自己ベスト9.98秒(2002年)に対して、朝原選手の自己ベスト10.02秒(2001年)。今回の世界選手権でKim Collins個人は100mで10.09秒を出し銅メダル獲得、200mでは20.64秒で4位につけている。100mの銅メダルはボルト(Usain Bolt)の失格という幸運のもとで獲得したとも言えるが、この年齢でも走り続けるという強靭な意志があればこそ勝ち取ることのできた幸運だ。200mでもUsain Boltが失格だったらKim Collinsはもう一つ銅メダルを獲得していたところだった。4x100の出場メンバーはKim CollinsのほかにJason Rogers, Antoine Adams, Brijesh Lawrence. 3年前、朝原選手について行ってついに銅メダルを獲得した日本チームの若者3人とイメージが重なる。それにしても人口39,000人の小国に100m=10秒台で走る選手が4人もいるというのは世界の七不思議のようなものだ。同じ比率であれば人口1億2,800万の日本には100m=10秒台で走る選手が13,000人ほどいても不思議ではない。世界選手権には、このカリブ海の小国の4人全員が参加しなければならないが、日本は13,000人の10秒台走者の中から最も速い4人を選抜して闘うことができるのだから、普通に考えれば日本が勝つはず。でも世の中は数学で習うような比率・確率の世界とは縁がないらしい。こんな小さな国の代表が決勝戦に出るというだけでも大変栄誉なことだが、このカリブの小国はKim Collinsという朝原選手のような大先輩に3人の若者が引きずられてついに世界の表彰台に登れた。7月にプエルトリコPuerto Rico)で行われた中米・カリブ選手権(CAC:Central American and Caribbean Championships)でもKim Collinsの4人組は4x100で39.07の記録を出し銅メダルを勝ち取っている。この時の金メダルはジャマイカJamaica:38.81)、銀メダルはトリニダ・トバゴ(Trinidad & Tobago:38.89)。Trinidad & Tobagoは人口134万と比較的小さな国だが韓国の第13回世界選手権でも決勝進出、第6位。そしてJamaicaは人口270万、人口は日本の1/50ほどだが100m=10秒台で走る選手はたくさんいるようだ。中米・カリブ選手権で4x100の金メダルを取った4人組はLerone Clarke, Dexter Lee, Jason Young, Oshane Bailey.今回韓国で世界新記録37.04を出した4人組はNesta Carter, Michael Frater, Yohan Blake, Usain Bolt.地区大会に出す選手も全国大会に出す選手もすべてそろえているという感じか。日本の1/50ほどの国にこんなにたくさん足の速い選手がいるというのも、もうひとつの世界七不思議ではないか。我が国も二人目の「朝原宣治」選手の再来を期待したいものだ。