アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

アルジェリア人質事件はカダフィの置き土産

アルジェリア In Amenas ガス関連施設で発生した人質殺害事件は、投獄されている仲間100人の解放を要求するアルカイダ系のイスラム原理主義武装勢力による犯行だ。少なくとも2ヶ月間、施設の従業員ら11人の協力を得て周到に準備した形跡があるという。

1月11日、フランス軍がマリに軍事介入した時から、彼らは作戦決行を決心したようだ。アルジェリアに隣接するマリは元フランスの植民地、現在も5,000-6,000人のフランス人が住む。昨年3月、軍事クーデターが発生した混乱に乗じてその北部地域をこの武装勢力が支配した。国連安保理イスラム過激派のテロ活動を非難し、自国民保護の大義名分もあるフランスは今月になり空爆を始め、テロリスト排除のため2,000人規模の軍隊を派遣、現在も掃討作戦を続けている。In Amenasで人質をとった武装勢力は、フランスがマリ軍事介入をやめない限り、イスラム法の統治を妨害する植民地主義者に対する攻撃を継続すると主張しており、今回アルジェリア政府が強硬手段で犯人29人を射殺、3人を拘束したとするが、第二第三の類似事件を警告する。(今回の犯人は合計32人というが、他に3人が逃亡したという情報もある)武装勢力アルジェリアの国営ガス施設を狙った理由は、マリ空爆のためフランス空軍にアルジェリアの空軍基地を使わせたからとする。

リビアカダフィは、自分に対抗する自国民及び外国勢力を皆殺しにするため、自分を支持する自国民、マリを含む近隣諸国の傭兵及びイスラム過激戦闘員らに、有り余るほどの武器・弾薬を無償で与えた。そのカダフィが消え去って、イスラム戦闘員らが持ち帰った大量の武器・弾薬は、昨年9月、ベンガジで発生した米領事館襲撃事件で使われ、今回のIn Amenas人質事件でも使われている。カダフィという男は殺されても墓の下から復讐しようとしているようだ。

人口1,300万人のマリにトゥアレグ(Tuareg)族という少数民族がいる。約144万人。独立を目指して、イスラム武装勢力と組んでクーデターに成功したが、その後アルカイダ系のイスラム武装勢力に打倒され、夢見た独立も自治も砂漠の水泡に帰した。滋賀県の女性知事が卒原発を夢見て小沢組と組み、選挙で利用された後は小沢組に捨てられたようなものだ。ベンガジ米領事館襲撃事件と今回のIn Amenas人質事件の首謀者はアルジェリア生れMoktar Belmoktar(40才)というアルカイダ系Masked Brigade(覆面旅団)の「司令官」だ。アフガニスタンで手榴弾にやられ、片目を失ったが一度も捕まったことはなくUncatchableの異名を持つ。何億円もの不正な金を集めながら国会の証人喚問を逃れ、挙句の果てには裁判で無罪を勝ち取る政治家に似ている。殺害された「司令官」の右腕を含む優秀な部下たちから回収した衛星電話の記録をみると、マリやリビアなどとの不審な通話記録があぶり出された。これをヒントにUncatchable Belmoktarが捕まればいいのだが。