アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

銃乱射事件後の銃規制議論

先月発生した米国の小学校における銃乱射事件から1ヶ月になる。Obama大統領・Biden副大統領共に、銃による悲劇をなくすには何らかの銃規制が必要と一致しており、どのような規制にすべきか近々発表になる。恐らく殺傷力の高い自動小銃など攻撃用銃器の販売につき、購入者の犯罪歴及び精神障害の有無の調査を義務付ける程度の規制であろうと思われるから、日本人が考える「銃規制」とは程遠い内容となるだろう。

銃規制反対のNRA(全米ライフル協会)の力は絶大で、彼らは銃乱射事件の原因を、犯人が暴力的ビデオゲームに興じていたからと分析し、暴力的ゲームを規制せよと議論をすり替えている。一方のゲーム業界(年間300億=2.7兆円の市場規模)は、ゲーム制作は合衆国憲法修正第1条(言論の自由)が保障する権利だとして、NRAの主張に真っ向から反対する。全米ゲーム協会は既に暴力的な内容を自主的に等級分けする制度を導入し、販売対象年齢を制限している。(但し、小売店で販売時に年齢制限をしても、友だちから借りることもできるし、ネット上にも暴力的なゲームが氾濫しており、制限は名目的と批判される)

Los Angeles 市のように、行政が率先して地域から銃をなくそうと運動しているところは、まだ少数のようだ。同市では、匿名で銃を持ってきた人に、書類にサインさせることも、事情を聴くことも、顔写真を撮ることもなく、ギフトカードと交換している。先月の小学校における銃乱射事件後は一日で1,600丁以上の銃が回収できたという。回収した銃はすべて溶かして処分する。銃で銃による悲劇をなくすことはできないと信じるアメリカ人もいるというのは大変心強い。

しかし、米政府が検討中の銃規制が実施される前に自動小銃を入手しようと行動するアメリカ人も多く、犯人が使ったAR-15というタイプの半自動ライフルは小売店の在庫がほぼすべて売れ尽くされ、相場も従来の1丁$500(≒45,000円)だったものが3倍以上の値段が付いているという。30発用の弾倉も、事件前は$12(≒1,100円)だったものが$60に跳ね上がっているとのこと。(今回の銃規制では最高7発用の弾倉に限られるとの噂あり)

教師に射撃訓練を受けさせ、銃を携行させる学校も増えてきた。市が治安対策予算を組んで各学校に元州兵を治安員として配置する州もある。小学校の児童が多数犠牲者になったことを受け、護身用携行品も飛ぶように売れている。防弾リュック(男子用と女子用がある)は1つ$300(≒27,000円)、本型の軽量防弾ボードは$150~$200(≒13,500~18,000円)、防弾パネルは$229(≒20,000円)、これだけのお金をかけてでも、子供の命を守る価値はあるのだが、実際にこれらの物を持っていたからといって、命が保障されるわけではなく、単なる親の気休めに過ぎない。さりとて学校武装化で安全を確保できるという保障もないだろう。長い道のりだが、銃規制ではなく銃撤廃しか解決法はないのではないか。