アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

カジノ解禁論議

カジノ解禁推進法案が今月末招集される通常国会で議論される。与党の賛成多数で成立すると、年間3万人の自殺者数が確実に増加する結果になるだろう。既に我が国には、パチンコという巨大ギャンブル産業がしっかり根を張っている。全国約12,000カ所のパチンコの売り上げは29兆円。他に公営ギャンブルとして競馬・競艇・競輪・オートレース合計5兆円弱の売上あり、その上に、宝くじの売上1兆円(サッカーくじは無視しても)も加えると、ギャンブル市場規模35兆円はダントツ世界一の賭博大国だ。経済規模がはるかに大きい米国でも、くじ・カジノを含むギャンブル市場は12兆円と推定されているから、日本人のギャンブルにかける情熱の強さが分かる。

その下地があるからか、我が国で特区(例えば沖縄など)を設けてカジノ(賭博場)を合法化すると経済効果が上がると賛成派は主張するが、日本人出入り禁止とすることもできず、これ以上日本人がギャンブルに依存すると、わが国は破滅に向かうしかないだろう。5年前(2009年)に発表された厚労省調査結果によると、日本人のギャンブル依存症患者は559万人(成人人口の5.6%)で、米国の0.6%、カジノ王国マカオの1.78%と比較しても圧倒的に多い。ギャンブル依存症(Pathological Gambling=病的賭博)とは、ギャンブルを自制することができなくなる精神疾患のことで、薬物依存症と同じく、治療の必要な病気だ。大王製紙の御曹司で、100憶円以上も会社のお金を海外のギャンブルですった事件があったが、彼も病的賭博患者の一人だ。誰かが「やめとけ」と言って、やめられるものではない。

カジノ賛成派は、世界120カ国で合法化されているカジノがない先進国は日本だけと言うが、わが国には、世界で唯一、パチンコというイカサマカジノがある。2006年、韓国がパチンコを禁止したので、パチンコは日本にしか存在しない。パチンコは玉の出を賭博主催者が裏で調整できるので、「偶然」に賭けることになっているカジノとは言えないのだそうだ。(ルーレットでも、プロのディーラーは90%以上の確率で「偶然」を支配することができるが、パチンコは100%操作できる)現在、日本において、パチンコで遊ぶ人は1,300万人前後と推定されているが、ギャンブル依存症患者559万人の半分以上はパチンコ依存症と言われる。年間200-300万円以上をパチンコに費やしている人の大半は、ギャンブル依存症患者又はその予備軍とみて差し支えない。

このような固定客がなければ29兆円のパチンコ市場は存在し得ない。パチンコ・スロットが原因で自己破産する者の平均負債総額1,293万円。年間3万人の自殺者の数十パーセントはギャンブル依存症患者(自殺原因は経済・生活苦、精神病、原因不明等の範疇に分類される)である。カジノを解禁してもっと自殺者を増やすべきか、パチンコも非合法化すべきか、真剣に議論すべきだ。