政府は1,000兆円を超える巨額の国の借金を減らそうと、消費税を来年10月から10%に引き上げるが、それでも焼け石に水。この際、パチンコにも課税して少しでも多くの財源を確保しようと、自民党の「時代に適した風営法を求める議員連盟」が動いている。先月末、パチンコ業界を牛耳っている警察当局が、この議員連盟との会合の席上、「パチンコで換金が行われているなど、まったく存じあげない」と答えたと報道され、皆、違和感を持ったはずだ。
確かにパチンコホールでは、ボールペンやライターの石、地金など特殊な景品しかくれないが、一旦店を出ると、横には「景品交換所」(法的には古物取引商)があって、換金されている。警察はパチンコホールは見えても景品交換所は見えないのか、パチンコ屋を遊戯施設と見るから、その隣の古物商も魚屋も八百屋も遊戯施設とは無関係と割り切っているのかどちらかなのだろう。
警察が知らないパチンコ業界の「三店方式」とは、玉を貸出すだけのホール(風営法で認められた遊戯施設)、特殊景品をホールに卸す問屋、景品を換金してくれる景品交換所(古物取引商)の三者が、それぞれ独立した営業をしているだけで、賭博とは一切関係ないと居直るための隠れ蓑だ。玉を貸出した結果、勝った顧客に現金等の商品を出すことも、商品の買取も禁じ、顧客が玉を持ち出すのもすべて風営法第23条で禁じられている。しかし、遊技施設外で換金行為が正々堂々と行われているのを警察は「知らぬ、存ぜぬ」という。
営している主体が一心同体であることは、警察以外のすべての者にとって周
知の事実だ。公営競馬の場合は、馬券の10%は国庫納付金として、国に納付
馬券と同じとみれば、その10%の2.9兆円が国の財源になるところだ。パチン
コを合法ギャンブルと法律で決めてしまえば徴税が可能になる。現状、風営
法の遊戯であるため、課税できない。