アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

我ら大富豪達に今すぐ課税せよ

 毎年1月後半、スイスDavosに世界の経済人・政治家などが集まり、世界共通の問題を討議する。Davos会議だ。今年はOmicron株のおかげで実際に人が集まることはなく、Online会議となった。その会議に「Patriotic Millionaires(愛国的な大富豪たち)」という発信者からの次のようなmessageが届いた。「世界の富裕層の富を限りなく増やす一方で、何十億もの人々を簡単に防げるはずの貧困に追いやるシステムを擁護することはできない。私たちは根っこからの組織改革を必要としており、それは私のような金持ちに課税することから始まる。」

 

 この愛国的大富豪の会は、資産$5億(≒550億円)以上の超富裕層で構成され、米国59人、英国20人、ドイツ8人、カナダ5人など合計101人の仲間がいて、今回のpandemicでさらに貧富の差が拡大したことを憂いている集団だ。金持ちになるのは、自分の才能、努力、運などによるが、自分一人で孤島で仕事をしても絶対に大富豪にはなれない。儲けさせてくれる人々がいて初めて自分の富を蓄積できる。そのためには、世界の貧困層をなくす政治をしなければならず、その政策実現には富裕層に相応の課税をすべきだと主張している。今回、101人全員が署名した。

 

 愛国的大富豪の会の会長で、投資管理会社BlackRockの元社長Mr. Morris Pearlは、資本主義の行きつくところで富の偏在が極端になり、埋めがたい貧富の差がある状況では、公平性、合理性、生存を実現するのは困難だと指摘する。すぐにも修正しなければ危険な状態であると訴える。Trump時代に米国は富裕層に減税をして、貧富の格差を悪化させたが、極限まで悪化した先は革命になるというのが、歴史の証明するところだ。フランス革命を繰り返すなというところだろう。

 

 世界のトップ10人の大富豪の資産は$1.4兆(≒160兆円)とcorona pandemicの間に倍増、同時期に世界の下位40%の所得は6.7%減少している(NGO Oxfam発表)。第1位Elon Musk(Tesla社長, $3,020億)から第10位Ballmer(Microsoft元社長, $980億)まで、平均すると一人当たり$1,480億≒17兆円の資産を保有する。世界のトップ富裕層2,750人の保有する資産は$13兆≒1,500兆円になり、これは全世界の資産の3.5%に相当する。

 

 世界の上位1%の富裕層が保有する資産が38%であるのに対して、下位50%の資産は2%でしかない。世界上位10%の富裕層の資産は76%なので、中間層40%の保有資産は22%、下位50%の人々が2%の資産を分け合うという現実がある。これは非常に危険な現象で、是正するには富裕層に所得税を公平にかけ、また新たに資産税を創設して、富の分断をすぐに改めなければならないと主張している。

 

 Pandemicの間に世界の99%の人々の収入は減り、1億6,000万人が新たに貧困に陥った。貧困が原因で、4秒毎に1人が亡くなっている(coronaが直接の原因で死亡した570万人は含まず)現実がある。世界の指導者は早急に手を打たなければ大変なことになる、その前に私たち富裕層に今すぐ課税してくださいと訴えているのだ。ぜひその声をきいてやってほしい。