アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

キューバ米国ようやく国交正常化

キューバと米国がようやく国交正常化に向けて進みだした。米国Florida半島からわずか145km南の島(人口約1,100万人)は、1961年、両国が国交断絶してから実に53年の間、実質的な米国による経済封鎖が続いていた。米ソ対立の時代は、米国の敵キューバは、同じく米国の敵ソ連にとって大事な同盟国になり、ソ連の経済援助を受けて生き延びることができた。そのソ連が消滅し、ロシアにとって利用価値がなくなると、キューバはますます孤立し、経済が疲弊しきっていた。
 
キューバの経済危機を何とかしようと陰で動いたのがVaticanFrancisco法王と言われる。キューバ革命1959年)前まで、この国の人口の70%カトリック教徒であったが、社会主義国になってからは減少し、今では人口の40%にまで減っているばかりか、社会主義キリスト教などの宗教が相容れない教義のため、キリスト教会は自由に活動ができない状況になっている。そこに目を付けたのがカトリック教会で、ローマ法王の仲介で米国との国交が回復して、経済状態が改善されると、カトリック教会も自由に活動させてもらえる可能性が出てくる。おそらく裏取引は成立しているのだろう。
 
米政府から北朝鮮と同じ「テロ支援国家」の烙印を押され、食糧・医薬品以外の物資の輸入もできない状態で、他に助けてくれる国もなく、キューバの経済は極限まで疲弊している。人口比30倍ほどの大国アメリカが、このような小さな島国に対して、共産党憎しと、ここまで痛めつけること自体、大人げない行為だろう。米国は早々と、もっと大きな共産国中国と国交回復している。黒人の多いキューバ国民に対して、同じ黒人のObama大統領が親近感から、なんとか同朋を助けたいという気持ちがあったのかもしれないし、残りの任期2年しかない大統領が、長年の懸案であった両国の関係正常化という実績を残したかったという理由があったのかもしれないが、半世紀以上も国交を断絶していて、どちらにとっても利益はない。特に、破れかぶれのキューバにとっては、反対する理由は皆無だ。
 
革命の旗手・建国の父Fidel Castro88才、2008年、兄から政権を引き継いだ弟のRaul Castro国家評議会議長)も既に83才、この兄弟は、毛沢東のような芯からの共産主義者ではなく、単に自国を搾取していた米国憎しの感情から、社会主義国家を建設しただけだろうから、半世紀にもわたって敵対視してきた米国と仲直りすることに、さほど抵抗はなく、むしろ、自分たちの存命中にキューバも世界の並の一員にしておきたいと希望していたのではなかろうか。
 
両国間には、日ロ間の北方領土のような領土問題も存在する。Guantanamo米海軍基地の租借権を米国は持つ。ここに同時テロの犯人とされるアルカイダの捕虜を収容していたが、いずれは、この租借権を返上せよとの要求に発展するだろう。しかし、米国キューバの国交正常化は米国以外の国からの投資も呼び、キューバには計り知れない恩恵がもたらされる。将来、Obama大統領は、キューバの救世主と呼ばれる可能性もある。