アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

年内に尖閣有事説

Washingtonの有力研究機関Hudson Institute(ハドソン研究所)Lewis Libby副所長(前George W. Bush政権の副大統領首席補佐官・国防次官補を歴任)及びArthur Herman上級研究員(日米近代史専門の歴史学者)が、125日、Wall Street Journalに「北京の次の先制行動は東シナ海だ」と題する論文を寄稿した。中国が違法な埋め立て工事によって南シナ海に建設した人造島で、航空機の着陸が始まったことや、ベトナム領海の近くで、国際規範を無視した石油掘削作業を進めていることを指摘して、「米国などの国際的な警戒が南シナ海に集まる間に、中国は東シナ海で軍事行動に出て、日本と軍事衝突を起こす可能性がある」と警告したのだ。
 
中国は、石油資源埋蔵の可能性が指摘された後の1970年代から、尖閣諸島を自国の領土と主張し始めた。しかし、日本側は尖閣諸島を実効支配しており、「中国との間に領土問題は存在しない」という立場を堅持している。これでは、領有権問題をめぐり国際調停にもって行っても、中国の立場は弱い。日中両国で尖閣をめぐる軍事衝突の事実を作れば、日中両国の領有権主張が対等に扱われる可能性がある。そのためにも、中国は尖閣上陸を目指して、まず海上で両国軍による戦闘を引き起こさなければならない。日中両国が多くの部隊を現地に投入しようとすると、外交的解決を求める交渉が始まり、国際調停にもっていくことができる。その場合「日中の間に領土問題が存在する」ので、両国の領有権主張は対等に扱われ、中国の思い通りの展開となる。
 
しかし、11月に米大統領選挙があるので、仏のObama様は、尖閣有事に際して、すぐに中国排除のための軍事行動を起こさない可能性が高い。「尖閣諸島日米安保条約の範囲内」と公言するが、Obamaさんは、最後の最後まで軍隊を出したがらない人だ。シリアの独裁者Assadに対して「生物兵器を使うと一線を超えることになり、重大な結果を招く」と警告したが、Assad生物兵器を使っても米軍は動かなかった。米国で生物兵器が使われたからではないから。尖閣に中国軍が乗り込んできても、米国の領土が侵されるわけではない。尖閣は米国の問題ではないのだ。
 
 米軍最高司令官であるObama大統領は、昨年1027日と本年130日、南シナ海で中国が領有権を主張する南沙諸島及び西沙諸島Freedom ofNavigation Operation(航行の自由作戦)と称して軍艦を通行させた。しかし、中国が自国領と主張する12海里内を無害通航しただけで、軍事訓練等をしたわけではない。無害通航は国連海洋法条約で認められている「沿岸国の平和、秩序又は安全を害しない航行」であり、勝手に海洋進出を図る中国へのけん制になっていない。このような仏様米軍最高司令官が君臨している限り、尖閣有事と言えども、日米安保条約に基づき駆逐艦戦略爆撃機B52が出動することはあるまいと中国は考えている。しかし、米軍最高司令官が共和党の誰になっても、あるいは民主党でもHillary Clintonになった場合は、米軍が動くと中国は考えている。だから、尖閣侵攻は、大統領選挙前の11月以前ということになる。