アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

習近平は台湾・尖閣を併合するか?

 一国二制度のはずの香港に国家安全維持法を適用し、実質的に香港を中国共産党支配下に置いた習近平だが、巷で噂されている台湾併合はありうるのか。中国は、欲しいものを「核心的利益」と呼び自国のものにするのが得意な国だ。チベットウイグル南シナ海、香港は習近平の核心的利益であるから中国の支配下に置いた。他に台湾と尖閣沖縄県石垣市)も核心的利益として狙っている。尖閣諸島には年初からほぼ毎日やってきて日本の漁船を脅し、中国の領土だと主張している。中国の軍事力からすれば、台湾も尖閣も攻撃して中国の領土にするのは朝飯前と言わんばかりだ。

 

 しかし、台湾と尖閣については香港と事情が異なる。台湾の国内法に優先する中国の法律などない。唯一の道は軍事侵攻だ。その場合、米国と対峙しなければならなくなる。台湾はTrump米政権になってから、国防予算1年分以上のハイテク兵器を米国から購入している。(台湾の年間国防予算は約1.3兆円≒NT$3,500億、Trump政権になってから米国から買い付けた最新型兵器は約1.8兆円≒US$174億)武装無人偵察機、自走多連装ロケット砲、水中機雷、巡航ミサイル、ハープーン対艦ミサイル、空対地ミサイル、地対空ミサイルからF16新型戦闘機など、明らかに中国大陸を意識した最新鋭の武器を米国は売っており、中国としてはうかつに台湾に手を出すわけにはいかない。

 

 台湾沿岸から250kmで対岸の中国・福建省がミサイル射程圏に入る。もちろん台湾は先制攻撃はしないというが、中国としては、自分の分身と思っていた台湾が自国に向けてミサイルを向けている現実は受け入れるわけにいかないが、かといって、中国が台湾に先制攻撃を仕掛けた場合、台湾から反撃されるのみならず、背後にいる米国が黙っていないから台湾併合は現実味がない。香港のようにはいかないということは、習近平が一番よく知っている。

 

 その点、尖閣はどうかというと、尖閣に日本の軍事基地はなく、中国艦船はほぼ自由に接続海域を航行できる。休漁期間に中国の漁船が大挙して尖閣周辺にやってきて、これを中国公船が追い払うという行動を定期的に続けていると、中国は、尖閣周辺で中国の漁船を退去させる公権力を行使したことになり、この一帯には中国の施政権があると主張するだろう。日本の海上保安庁の大型巡視船(Large Patrol Vessel, 3,000トン級以上)は4隻しかなく、とても一度に200隻以上の中国漁船を追い払うことなどできない。中国は熱心に尖閣水域に侵入し「実効支配」の実績を稼いでいるのだ。

 

 その先に見えるのが、日本が沖縄県と称する琉球王国の奪還計画。琉球は過去の歴史で中国、朝鮮、日本などと等距離外交を続けてきたが、120年前に明治政府に組み入れられた。習近平は、日本にまんまとやられたと地団太踏んでいるが、力をつけてきた今、力づくで取り戻すことも夢ではないと、まずは琉球の一部である尖閣諸島の実効支配を狙っている。我が国は、当面、米国の軍事力に頼らなければならないが、ゆくゆくは自力で尖閣を守る必要が出てくるだろう。