アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

5年後の台湾有事

 ロシアがウクライナ侵攻して、一段と中国が台湾侵略に踏み切る心配が、現実のものとなってきた。中国は、台湾は中国の一部とみなしており、まだ実効支配してい台湾の統一は「歴史的任務」なのだそうだ。英国から返還された香港のように、台湾にも、既に中国の主権が及んでいると勝手に理解しているのだ。しかし、一国二制度に基づき、香港を自由にさせたら、中国共産党を批判して収拾がつかなくなったため、約束の50年を反故にして、25年で強権発動により、一国一制度に戻してしまった。

 

 香港に一国二制度を導入した当時は、いずれ取り込む台湾にも同制度を導入するから、本国の共産党による支配を心配しなくてよいというmessageだったと思うが、香港の政治運動が激しさを増し、さほど悠長に構える訳にいかなくなった。しかし、香港の現状を見て、台湾の人たちが、中国は約束を守らないと確信したので、絶対にその手には乗らない。中国は、人口も経済力も大国かもしれないが、人間に本質的に必要な自由がなく、台湾人にとっては、巨大な監獄でしかない。

 

 先週の米Pelosi下院議長訪台に際し、断固として反対と騒ぎ立てる中国は、台湾を囲むように実弾演習を繰り返し、そのミサイルのうち数発は我が国のEEZにも着弾しており、中国による台湾進攻は、いつでも開始できるかのように見せかけているが、本当に侵略戦争を仕掛けようとしたら短期間に準備できるものではなく、周到な準備がいる。しかも、現在ロシアによるウクライナ侵略戦争が進行中であり、その結果を見てから始めようとしているようであり、恐らく、人民解放軍創設100周年となる2027年あたりが節目であろう、という見方が主力のようだ。あと5年後ということになる。

 

 中国軍が台湾に攻め入る場合、台湾を保護する米国の法律が2つある。一つは、台湾の安全保障について定めた「台湾関係法」(Taiwan Relations Law, 1979年制定)、もう一つは台湾に防衛装備品の売却と移転を奨励する「台湾保証法」(Taiwan Assurance Act, 2020年制定)。台湾有事の場合、米国は、これらの法律に基づき、台湾を防衛する義務があると認めている。米国、EUNATOにはウクライナに関するこのような法律がないにもかかわらず、各国は民主国ウクライナを支援している。米国は、単に台湾が民主国だから、共産国中国から攻撃されたら防衛するというのではない。高額な武器を買ってくれる大事な顧客だから保護するのでもない。太平洋地域における共産主義国の脅威を排除しようとしているのだ。

 

 台湾有事の場合、その170km先の尖閣諸島も無関係ではいられない。中国は、尖閣琉球(沖縄)も台湾と同じく中国の一部と主張しているからだ。日本は、5年以内に、本格的に中国と戦う力を蓄える必要があるだろう。日米安全保障条約があるからといって、米国に頼り切ることは現実的でない。米国の支援は保険くらいの価値のものとみておくべきだ。今日のウクライナは明日の台湾、そして、台湾の有事は日本の有事と心得るべきで、台日共に防衛力強化に努めなければならない。