アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

世紀に一人の怪物・大谷翔平

 一人二役、投手と打者を同時にこなして、とんでもない実績を残すというのは人間業ではない。怪物の業だ。米大リーグで、投手として2桁勝利、打者として2桁本塁打の記録を立てたBabe Ruth(1895 - 1948)、それは104年前のことだ。そんな2-way player(二刀流)は二度と出てこないと言われていたところに、大谷翔平が現れた。

 

 1918年、Babe Ruthは前人未到の13勝利11本塁打の記録を残して、米野球界を驚かせた。彼は、1914年から1933年までの20年間で、投手として94勝利、打者として714本塁打を記録した歴史上の人物だ。しかし、日本のプロ野球界でその後、2回にわたってシーズン2桁勝利、2桁本塁打の記録を作ったのが大谷だ。高校卒業後プロになった2013年から2017年の5年間のうち、2014年に11勝10本、2016年に10勝22本と、既にこの時点でBabe Ruthの記録を破っている。大谷の日本での5年間の通算記録は42勝48本、この実力がアメリカでも通じるのか本人が一番試したかったのだろう。

 

 大谷の昨シーズンは9勝46本と、惜しくもあと1勝のところで2桁勝利に届かなかった。今シーズンはまだ終わっていないが、10勝25本の時点で伝説のBabe Ruthに並ぶ偉業を達成した。(その後、本塁打は1本増えて、現在は10勝26本)Babe Ruthの13勝11本と大谷の10勝26本のどちらがより価値のある記録かは比較できない。勝ち投手になるには、その試合の運にもよるし、本塁打数を伸ばすにも、敬遠されてまともなストライクを投げてもらえないことが多いからだ。100m走るのに何秒かかるかという、客観的な比較はできない。自己と仲間と相手チームとの戦いでもあるからだ。

 

 Babe Ruthは、20年で通算94勝714本の記録を残し、53才でがんで亡くなったが、1シーズンで2桁勝利、2桁本塁打を達ししたのは、生涯、1回だけだ。一方の大谷は日本で2回、アメリカで1回、合計3回この怪記録を達成している。彼がBabe Ruth並に、20年間現役活躍するとすれば、まだ11年あるので、記録がどこまで伸びるか想像がつかない。

 

 大谷の9年間の日米通算実績は65勝167本、9年目の今シーズンはまだ現在進行中で、もっと伸びるだろう。ケガもしてリハビリを乗り越えての記録達成だから、頭が下がる。もともと、投手の才能と、打者の才能は別物のはずだ。投手としての才能を磨こうとすれば、打者の練習時間は短くなる。二刀流と言えども、睡眠時間を入れても一日24時間しかない。打撃の練習に時間をかければかけるほど、投手の練習時間が短くなる。同じ試合に投手として出場して、指名打者でも出場するのは、一秒たりとも休み時間がないということになる。他の選手は皆、1イニングごとに休みを取っている。超人的な体力を築いているはずだ。彼が、米野球界の神様・Babe Ruthを超えてどこまで記録を残すか、日米のファンにとって大いに楽しみだ。