自然の営みには、人類の知識で計り知れないことが沢山ある。もともと宇宙が何でできているかも、わからないことだらけだ。人類は、宇宙の組成の4-5%しか解明できていない。95% 位は暗黒エネルギー・暗黒物質でできていると想像するが、実態はまだ解明されていない。地震がいつ起こるかも予測できないし、いつ収束するかもわからない。
4月14日午後9時半頃発生した熊本地震(地震の規模はMag.6.5、震度7)の後も余震が頻繁に起こっており、当初、気象庁は「1週間ほどは余震に気を付けてください」と言っていたが、そのあとに本震が来るとは想定していなかった。16日午前1時半頃発生したMag.7.3(Mag.6.5の約16倍のエネルギー、1995年の阪神・淡路大震災はMag.7.2)の「本震」(震度6強)のあと、気象庁は「今後地震活動がどうなっていくか分からない」と発表している。政府も15日の時点で「16日は天候悪化が予想されるので、屋外に避難している被災者を15日中に安全な屋内避難所に収容するように」と指示した。余震は徐々に収束すると予想したのだろう。16日の地震発生時自宅にいて自宅が倒壊、亡くなった人もいるはずだ。なんとも罪作りな政府発表ではないか。
気象庁は、最初の地震が「前震」で、28時間後の地震が「後震」(本震)だと後で発表したが、この後、地震が収束するのか、もっと大きな地震が来るのか、早い話が分からないということだ。前震発生後48時間以内に322回もの強震が広い範囲にわたって連鎖的に起きているため、今までの経験則が役に立たないというのだ。その後も前震程度の余震は続いており、本当にどうなるのか誰にもわからない。
熊本地震は関東から九州に至る日本列島を東西に貫く最大の断層帯「中央構造線(Median Tectonic Line)断層帯」の中で発生している。阿蘇山の噴火と無関係とも言えないだろう。この断層帯の中で知られている活断層も沢山あるが、我々はすべてを知っているわけではない。熊本-大分の延長線上にある鹿児島県川内原発、愛媛県伊方原発など、「熊本地震の影響はありません」などと悠長なことを言っている場合ではない。活断層による地震は、発生の間隔が長いものも短いものもあり、専門家が把握しているのは、割と最近のデータしかないからだ。1,000年単位から数万年間隔で発生するものも沢山あり、今がどの時点であるのか神のみぞ知るの世界だ。