アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

Trump riskが現実に

 あってはならないことが起こってしまった。こともあろうに、あのイカサマ「実業家」Donald Trumpが大方の予想に反してHillary Clintonに勝ってしまった。大票田のFlorida, Ohioなど当然Hillary Clintonがとるべき州でTrumpが勝利したのだ。悪夢が現実になった以上、なるようにしかならない。世界は最悪の事態に備えるしかない。その前に、こんな男を大統領に選んだアメリカ人が一番覚悟すべきだろう。
 
 政治の経験ゼロであっても、しっかりした人間ならば副大統領以下よくわかった人員を配置すれば大統領一人だけなら方針だけ出せば国は回る。しかし、確とした方針もなく、具体的な政策もない男が後先も考えずに勝手な思いつきでしゃべるからTrump riskは大きすぎると言われているのだ。彼の最大の主張は、アメリカとメキシコの国境に大きな壁を建設するというものだ。アメリカ版「万里の長城」を築くことで、メキシコからの不法移民の流入を阻止するという。国境線が万里の長城より長く、巨額の資金がかかるので実現不可能のはずだが、その費用を裕福でもないメキシコに支払わせるという。作ってくれと頼んでもいない壁を勝手に作られ、その費用を払えといわれても払うなどあり得ない。
 
 現在不法移民1,000万人以上アメリカにいると言われるが、彼らをすべて強制送還するともいう。しかし、不法移民の子どもで、アメリカで生まれた者はアメリカ国籍であり、親だけを国外追放すると、扶養してくれる親のいない未成年のアメリカ人は、どうして暮らしたらいいのか、別の問題が出てくる。アメリカ人にもメキシコ人にも善人・悪人がいるだろうに、Trumpは、すべてのメキシコ人が殺人犯・強姦犯などと決めつけている。
 
 ISIslamic State)がイスラム教徒だとの主張から、すべてのイスラム教徒の入国を禁止するとも言う。すべてのイスラム教徒が過激派だとの主張は、すべてのアメリカ人がTrumpのような脱税主義者だというに等しく、Trumpが大統領になったら、アメリカはISの標的になると言われる所以だ。Trumpムスリム系米国人のデータベースを強化して、すべてのモスクも監視せよと、穏健派イスラム教徒までを過激派にすべく煽動しているようなものだ。
 
 アメリカのために戦うとして、米国人と非米国人を区別し、米国人の利益を第一、非米国人の利益は考慮しないと断言する。世の中を友人と敵に分けて、米国人は友人、非米国人を敵と分類する。米中貿易収支はアメリカの大赤字であり、中国はアメリカの雇用とカネをかすめ取っているから、中国は敵だ。在日、在韓、在独米軍の費用もかかるから、これらの同盟国も敵だとなる。NATO加盟国も公正なコストを負担していないから敵とみなす。ロシアもハッキングでアメリカの情報を盗むので敵だ。要するにTrumpアメリカの周りは敵だらけなのだ。「銃規制を主張するHillaryの当選を阻止する方法はある」と暗殺をほのめかしたTrumpだが、「あんな男の大統領就任を阻止する方法もある」という輩が出てこないか心配でもある。