アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

フランスのヘリ脱獄犯御用

ヘリコプターを使って脱獄という事件は、日本ではきいたことがないが、海外では一般的なようだ。今月3日、フランス・パリ近郊の刑務所からヘリコプターを使って脱獄した男がフランス北部の町で警察に逮捕された。
 
レドワヌ・ファイド(Redoine Faïd46)は、71日(日曜日)午前1120分頃、懲役25年の刑に服していた刑務所から、ライフルで武装してお迎えに来た仲間3名のヘリコプターでまんまと脱獄した。ヘリはパイロット共々ハイジャックされたもので、刑務所の面会室には男の兄がいて、面会中だった。発煙筒で煙に巻き、その間にヘリは男を乗せて飛び立った。
 
この男は、女性警官1人が死亡した強盗未遂事件の主犯で、ヘリコプターを使った脱獄のプロ、今回の脱獄は2回目だ。実は1回目のヘリコプター脱獄(2013年)の詳細を記載した本を出版するなど、フランスでは悪名高きギャングのボスである。
 
うかつにも、今月3日、友人の女性の家に兄を含む3人の男らと一緒にいたところを、フランス警察特殊部隊が突入して、身柄を確保された。この男を追ってこれまで、3000人規模の捜索チームが編成され、3か月に渡って行方を追っていたのだ。
 
ヘリを使った脱獄は、脱獄でもかなり上級編の技能が必要なようで、経験を積むと上手になるらしい。2006年、ギリシャで刑務所からヘリ脱獄した男二人は、脱獄に成功した後、二人とも警察に捕まってまた刑務所にぶち込まれたが、3年後に同じメンバーで再度ヘリ脱獄に成功している。Vassilis Paleokostas(誘拐と銀行強盗で懲役25年服役中)とAlket Rizai(強盗殺人で終身刑服役中)の2006年の脱獄は、Vassilisの兄がヘリをハイジャックしてパイロットを銃で脅し、刑務所に迎えに来たのだ。2009年のヘリ脱獄事件では、9カ月後にAlketだけが捕まったが、Vassilisだけはまだ捕まっていないようだ。
 

ヘリを使った脱獄に使われるのは、通常、ハイジャックされたヘリが多いが、商用ヘリを不動産の視察などの名目で借り、飛び立ってからピストルでパイロットを脅して刑務所に向かわせるというのもある。しかし、フランス人夫婦の絆は強いようで、1986年、フランスで発生したヘリ脱獄事件は、収監中の夫(Michel Vaujour、当時35才)を取り戻すため、妻(NadineVaujour、当時34才)がヘリ操縦学校に行って免許を取り、正々堂々と自分で借りたヘリを操縦して刑務所に迎えに行った。夫は強盗殺人の罪で懲役28年服役中。ヘリからロープを垂らして、夫はうまくロープにつかまり、刑務所から脱出、ヘリを乗り捨てて、近くに止めてあった自動車で逃走したものの、今度は警察との銃撃戦になり、夫は重傷、妻は捕まった。これまでに起こったヘリ脱獄事件の成功例は、なぜかフランスとアメリカに多い。フランスでは11件、アメリカでは8件脱獄に成功している。カナダ、ブラジル、ベルギーなどでも複数件成功しており、刑務所側も対応に苦心しているようだ。