アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

ロシアが狙っていた独立国カタルニア

 ロシアはウクライナクリミア半島を武力で略奪してEUから非難され、経済制裁を受けている。なんとしても、EUを分断する必要があるので、英国のEU離脱を陰で応援したとされる。3年前のカタルニア(Catalunya)の独立を決める住民投票についても、プーチン・ロシアが独立賛成派に軍隊を派遣して支援することになっていたことが、スペインの裁判所で明らかになった。スペインの一つの州であるカタルニアが独立国になったところで、自前の軍隊もないから、反対されているスペインの軍隊に蹴散らかされてしまう。そこで、現在ベルギーに亡命している当時のカタルニア州知事(首相)プッチェモン(Puigdemont、57才)はロシアと密約を交わしたのだ。

 

 2017年10月のカタルニア独立を問う違法住民投票では、賛成90%で独立が認められたと主張する。しかし、そもそもスペイン政府はこの住民投票を認めておらず、独立反対派は全面的にボイコットしたから、投票率は、州政府発表40%。但し、同じ人間が何度も投票していたという証言もあり、州政府発表の投票率は当てにならない。

 

 カタルニア独立に際してロシアがプッチェモンに約束したのは、1万人の軍隊派遣とカタルニアの債務の負担、その引き換えにプッチェモンがロシアに約束したのは、カタルニア独立国がロシアのクリミア併合を認めることとBarcelona港をロシアに利用させることの2点だという。ロシアは、EUを分断し、新カタルニア国をスイスのような中立国にしたいと望んでいた。2017年10月27日、カタルニア州議会で独立が宣言されたが、すぐさま翌28日スペイン中央政府が州首相を解任、自治権を停止して、独立は1日で終わったため、ロシア兵1万人のカタルニア駐留は実現しなかった。もし、ロシア兵1万の派遣が実現していたら、カタルニアは悲劇的事態になり、多数の死者を伴う国家紛争に発展したであろうと新聞は報じている。

 

 今回、裁判所が公表したロシア軍1万派遣の密約に関連して、先週(10月28日)、スペイン治安警察はカタルニアの独立を支援する人物21人を新たに逮捕した。その中には、現在ベルギーに逃亡しているプッチェモンの取り巻き連中も含まれている。プッチェモンは逃亡に際して公的資金を横領した公金流用罪のほか、国家反逆罪、扇動罪、反乱罪、職権乱用罪、法廷侮辱罪(裁判出頭命令に反して出頭せず)などに問われている。

 

 スペインの前国王Juan Carlosも、愛人に巨額の財産を生前贈与して非難され、UAEに亡命した。プッチェモンは国外逃亡のための資金をカタルニア州の金庫から持ち出した。いまだにカタルニアには独立を支持する勢力が一定程度いるようだが、今回、裁判所が、新独立国はロシアの支援を受けてやっていこうとしていたことが明るみに出て、独立賛成派はかなり減るだろう。中国の後ろ盾で経済活性化を目指したAustraliaも、ついに中国のまやかしに気が付き離れたように、カタルニアの人たちも、ロシアに援助してもらえばろくなことにならないことはすぐにわかるはずだ。独立を煽動する男の尻馬に乗って騒いでみたものの、経済が疲弊し、おまけに新型コロナで何もかも調子が狂ったカタルニア人は、ようやく正気を取り戻すことになったのではないか。