アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

森友公文書改ざん責任者が栄転

 11月1日付で、森友学園公文書改ざんを指揮した最高責任者が、日本郵政株式会社の専務取締役に栄転したとの発表があった。2017年2月、豊中市議会議員が、国有地の売却額を非開示としているのはおかしいと訴訟を提起し、新聞でも報道されたため万人の知るところとなった森友学園事件当時の近畿財務局局長・美並義人のことだ。

 

 美並は2017年2月26日、日曜日、休みの赤木俊夫さんを職場に呼び出し、安倍晋三夫婦の関与を示唆する公文書は裁判に不都合であると、上司の命令(職権)で、正々堂々と公文書の改ざんを強要した。公文書改ざんの指示は、近畿財務局のみに留まらず、財務省本省からもどんどん届き、公文書を改ざんする「犯罪」の実行犯を命じられた赤木俊夫さんは、精一杯の抵抗をするも、所詮、職権で上司の命令となれば、従うか、断って職を辞するしかない。

 

 後に部分的に開示された「赤木ファイル」には、2017年3月8日付けメールで「売払調書、今後、会計検査院の受検を受ける当局として、既に意思決定した調書を修正することに疑問が残る」と記載して、本省の幹部らにもコピーを落としており、自分が強要されている犯罪行為に対する疑義を表明した部分もある。この時点で、彼は職をかけて抗議していたのだ。後に、当時の赤木さんの直属の上司(課長)であった池田靖は、妻・赤木雅子さんに「赤木さんは涙を流しながら抵抗した」し、自分も上層部に改ざんの指示を思いとどまるよう要望したが、現場の意見はきき入れられなかったと真相を話したという。

 

 本来ならば、赤木さんの職場の最高責任者である近畿財務局長(美並義人)が、本省から部下に届く無謀な要求に対し、体を張って部下を守るべき立場にあったのだが、美並はそのような上司ではなく、自己の将来の昇進の妨げになるようなことには関心がなかった。赤木さんは公文書の改ざんという犯罪を強要されたばかりでなく、その後も、会計検査院検査、情報公開請求などにおいて、存在するはずの書類について「ない」と答えるよう強要されたことなどを苦に、2018年3月7日、自ら命を絶った。

 

 部下の自殺に発展した公文書改ざんという犯罪事件について、2018年6月4日、財務省は改ざん調査報告書を発表、美並の関与については「監督責任が認められる」とされただけで、単なる「戒告処分」で済ませてもらった。国会で森友問題が取り上げられ、美並の責任が追及されると「全責任を負う」と言っていたにもかかわらず、「具体的な改ざんの内容について知らされていなかった」と言い訳をしている。「知らなかった」ことには責任の取りようがない。

 

 前代未聞の犯罪行為が近畿財務局局内で実行されていたにも拘わらず、その組織の最高責任者は詳細を「知らなかった」ため、責任を取ることもなく、国税庁・東京国税局長に栄転し、更に今般、日本郵政(株)の専務取締役に就任したのだ。すべて、親分・安倍晋三のために尽力した功績が認められて、華麗な人生が待ち受けていた。天国の赤木俊夫さんに合わす顔はないだろう。