アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

地球温暖化対策COP26

 英国Glasgowで開催されていた第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)は、2週間のだらだらした会合の末、11月13日閉幕した。Swedenの若い環境活動家グレタさん(Greta Thunberg、18才)は、実質的に意味のない数値目標だけを決めて、地球環境を破壊するだけ破壊して先に死んでいく政治家には何も任せられない、と2週間の会合(お金の無駄遣い)を批判している。地球は年寄りだけのものではない、我々若者とその子々孫々のものである、と。

 

 確かに、200ほどの国々から大勢の人たちがGlasgowに集まり、2060年とか2070年には温暖化ガス排出をゼロにすると約束したところで、今から40年、50年後にこれらの人々はこの世にはいないから責任の取りようもなく、約束が守られるはずがない。50年後に実質排出をゼロにするというのは、当面排出量を増やすということであり、インドなどは2030年の石炭火力を2020年比40%増やすと公言している。その結果、温暖化が進み、自然災害が更に深刻がしたところで、安い燃料だから使わなければ損という目先の都合しか考えていない。

 

 世界最大の石炭火力発電を行っている中国も、2030年から減少させ、2060年には実質ゼロにすると約束するが、2030年までは増やすと主張しており、事の深刻さを理解していない。それまでに昨年7月の三峡ダム決壊寸前までいった災害がもう来ないという保証はない。長江の氾濫で昨年7月、死者・行方不明者142人、家屋損壊3.5万軒、被災者4,550万人も出した中国が、のど元過ぎてもうすべて忘れ去ったのか、まだ地球温暖化の原因とされるCO2排出を2030年まで増やすというのだから、Gretaさんは、こんな人たちの話をきいていても何の足しにもならないと結論付けているのだ。

 

 今のままでは今世紀末の地球の気温上昇は2.4℃以上になるという。CO2排出量世界No.1の中国、No.3のインド、No.4のロシアが積極的に協力しないので、No.2の米国を含む他主要40か国が力を合わせて、思い切り削減して気温上昇を1.5℃に抑えようという合意が、どうにかできたところだが、これでも絵に描いた餅のようで、将来の地球の住民たる若者にとっては、「先住民が我々の地球を破壊している」と感じるのだ。

 

 再生エネルギーを大幅に増やすのが最大の近道だが、同時に最強の犯人である石炭火力発電をやめなければならない。日本も石炭火力発電が多い方だが、中国、インド、Indonesia、Vietnamなど、これから火力発電所をぼんぼん作る予定の国は、予定を変更するには金が要ると法外な補助金を要求する。中国は、現状でも、石炭火力発電所容量10.4億kwと、世界全体の容量20.6億kwの半分を占める。インドは2.3億kwだが、電力不足を解消するため、安い石炭火力をこれから一気に増やす計画だ。石炭生産量最大の中国(39億トン)と第2位のインド(7.5億トン)、第3位のIndonesiaなどにとっては、国内の貴重な資源を使うなと言われるから抵抗するが、長い目で見て、地球温暖化が人類に福をもたらすか災いをもたらすかじっくり考えて判断しなければならない。自分たち世代のためだけではなく、孫の孫の孫の代までを考えて。