アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

NY市がネズミ対策本部長を高額で募集中

 ドブネズミの被害は、米国大都市の共通の問題。人口の比率に比べてネズミの多い順で、1位はChicago、2位がNew York、続いて3位Los Angeles、4位Washington DC、5位San Franciscoという。コロナの影響でレストランが閉鎖され、食料を求めてネズミが住宅街に移動したとか、レストランの屋外営業が許可されたことで、路上に生ごみがあふれたとかの理由で、New Yorkのネズミの数は数百万匹(少なくとも200万匹)に増えたと言われており、ネズミ対策は市の喫緊の課題になっている。

 

 New York市は、昨年11月、Rat Action Plan(ドブネズミ対策法)という条例を作成、従来、道路わきにゴミを出す時間を午後4時以降としていたが、午後8時以降に変更した。深夜にゴミ収集するから、こんな規則になっているのだが、条例が施行されるこの4月からは午後8時前にごみを出すと罰金が科される。ネズミがゴミをあさってどんどん増えるという状況を改善しなければならない。昨年1月~9月の間に、ドブネズミに関する苦情が市に寄せられた件数は、21,600件と、前年同期間に比較して70%以上増えた。

 

 SNS上には、ピザの残りをくわえたドブネズミが、市内のあちこちで走り回っている姿が載っており、ネズミはNew Yorkerと切っても切れない関係になってきた。Micky Mouseのイメージで、ネズミを退治するのはかわいそうという市民もいるらしいが、これだけ多くのネズミを放置しておくと公衆衛生上もよくなく、感染症蔓延にもつながるとして、市は本腰を上げてネズミ対策を始める。(もともとEric Adams市長が、ネズミ大嫌いなのだ)

 

 その対策の本部長を、現在、全米から破格の待遇で募集中だ。New York市長の年俸は$90,800(約1,200万円)だが、ネズミ対策本部長の年俸は$120,000~$170,000(約1,600~2,200万円)になる。Eric Adams市長は、この人材募集の条件について、学士号を持ち、関連業種で5年以上の職務経験があること、機知に富んだ会話ができて、血気盛んな人物、一旦採用された場合、3か月以内に住所をNew York市内に移すことなどを挙げ、大量のネズミと戦う決意と本能があるなら、夢のような仕事があなたを待っていると宣伝している。げっ歯類を自分で捕まえるだけではなく、市民の協力を得る必要があるから、単なるネズミ捕りの専門家ではない。人を動かすプロであり、しかもげっ歯類の生態に詳しく、ゴミ収集などの知識も持ち合わせていれば、選挙で勝たなくても、市長より高給を得られるという夢のような本当の話だ。さすがアメリカには夢がある。