アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

中国の偵察気球撃墜される

 今月5日、米空軍stealth戦闘機F-22 Raptorは大西洋上で中国の偵察気球を撃墜した。高度約20kmを時速約10kmの速度で進む気球を、速度マッハ2(時速2,450km)で進む戦闘機で撃ち取る技術は、走行中の新幹線からゆっくり進む自転車を狙うよりもっと難しく、超難度のmissionだという。一発$60万(約7,900万円)もする空対空ミサイルを使わなければならなかった理由は、大して発熱しない気球のため、通常のミサイルでは撃ち落としにくいからという。

 

 この直径60mもの気球を撃ち落とした場所は、太西洋側South Carolina州の沖合約11kmの海上、水深14mほどのところなので、吊り下げていたバス3台ほどの装備品は、ほぼ完璧な形で回収できる。これを回収することにより、中国が主張する「民間の気象研究用気球」という嘘がばれるのは時間の問題だ。プロペラという推進装置がついており、機動可能な物体だから、誤って米領空に侵入したという釈明は通らない。通信傍受機器も搭載しており、核兵器施設の上空を飛んでいることから、偵察気球(spy balloon)であることは明らかだ。

 

 実は、米国は、この気球が内モンゴルの中国軍基地から打ち上げられた時からずっと監視していたようだ。Alaska上空からCanada上空に入り再び米領空に入ったところでBiden大統領は撃墜の命令を出している。ただ、地上にこれほど大きな装備品が落ちてくると、被害も大きいだけでなく、装備品も破壊されてしまうので、海上に出るまでじっと追い続けていただけだ。スパイ大国中国は、これまでこのような気球を世界5大陸40か国以上の領空に飛ばしていたことがわかっている。米国は、この巨大気球のほかに、最近、疑わしい気球を4個撃ち落としたと報道されている。これからは、領空侵犯している気球は、偵察目的と見なして、自動的に撃ち落とす方針のようだ。

 

 翻って、日本では、2019年11月から2022年4月までの間に、似たような気球が、少なくとも6回観測されているが、撃ち落とそうという発想はなく、ただ傍観していただけだ。

1 2019年11月、鹿児島県上空

2 2020年6月 宮城県仙台市上空(直径30mくらい)

3 2020年10月 秋田県秋田市上空(Aegis Ashore建設予定地)

4 2021年9月 青森県八戸市上空(三沢米軍基地)や小笠原諸島上空

5 2022年1月 九州西方の公海上

6 2022年4月 沖縄県座間味島上空

自衛隊の専門家の話では、航空自衛隊にこの手の気球爆破能力は充分あるとのことだから、次は見つけたら必ず、爆破してほしいものだ。まず間違いなく、中国の偵察気球と思われる。