アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

世も末、ビッグモーター事件

 ビッグモーターともあろう大会社が、会社の方針として、保険金不正請求を恒常的に行っていたことが判明、創業者社長は1年間報酬返上で幕引きを図ろうとしているが、それで済む問題でない。修理に持ち込まれた自動車に故意に追加の傷をつけ修理箇所を増やして自分たちの仕事を作り、その上、リサイクル品で修理したことは顧客に伝えず、新品の部品に交換したことにして保険会社に費用を請求していた。実際には修理していない箇所を修理したことにし、事実に反し、保険点数の多い修理方法で修理したと申告していたから、器物損壊罪、(対損保・顧客)詐欺罪に該当する。

 

 この会社は2022年9月期の売上7,000億円、従業員6,000名ほどの大会社であるにも拘わらず、会社法上で義務付けられている、最低3か月に1度の取締役会は一度も開催されていない。株式会社ではあっても非上場だから、株価暴落という市場の洗礼も受けずに済んでいるが、これで顧客がこの会社から離れていけば、いずれ会社は存続し得なくなるだろう。

 

 会社の売上の多くの部分は中古車販売だから、修理部門がなくなっても影響はないとも言えない。中古車を買い取り、修理して販売しているのだから、中古車を買う顧客も、ビッグモーターが整備した中古車なら信用できないと離れていくはずだ。昨年6月、損保3社からビッグモーターの不適切保険請求の情報提供を受けて、損保防犯対策協議会が、第三者弁護士からなる特別調査委員会を設置、今年になって1~6月にかけて調査をした結果が、今月、公表された。

 

 結論から言って、この会社は存続すべきでない。ビッグモーターがこの世から消え去っても、善良な同業者が業容を拡大して、倒産した会社の従業員を採用するだろうから、6,000人の従業員が路頭に迷うことになるとも言えない。社長兼重宏行、副社長兼重宏一を始め、経営陣は利益第一主義で、支店長などに過大なノルマを課し、そのノルマを達成できない者には、懲戒処分を一方的に通告、降格や転勤など日常茶飯事だったという。直近3年間では2020年20名、2021年15名、2022年20名の支店長が基本給大幅減の降格処分を受け、その上転勤を命じられた者もいる。就業規則によれば降格等の懲戒は賞罰委員会に諮って決定することになっているが、すべて無視して、理由も述べず通知のみ。社長の甥による内部告発もすべて無視されてきた。

 

 こんな会社には、民間車検場の指定取り消しなどの行政処分を下し、二度と自動車業界に参入できないようにすべきだ。社長自ら率先して違法行為を従業員に強要し、ばれたからにわかに、再発防止策を発表、compliance重視云々と言ったところで、まともな会社になれるはずがない。