アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

Sicilia大物mafiaの親分死去

 9月24日、Siciliaのmafia集団Cosa NostraのbossだったMatteo Messina Denaroが結腸癌で息を引き取った。61才。この男は1992年の爆弾事件等で2002年5月、終身刑の判決を受けている。事件を起こしてからは、ずっとイタリアの警察の目を盗んで闇夜で活躍しており、偽名で国外にも行き、国内外の病院で治療も受けている。国内潜伏中、弟Salvatore Messina Denaroは2010年3月逮捕され、妹Patrizia Messina Denaroも2013年12月逮捕されている(懲役14年)のに、弟妹に匿われた兄貴はうまいこと警察の目をくぐって潜伏していたところ、今年1月16日、Matteo Messina Denaro本人がついに警察に捕まった。しかし、結腸のがんを患っており、直近では、刑務所からL’Aquilaの病院に移送されていたが、そこで死亡した。警察に追われて30年逃げ回っていたから、あっぱれというほかない。

 

 Cosa Nostraで活躍中のDenaroは一つの墓地を埋め尽くすほど人を殺したと言われており、潜伏中も電話ではなく手紙で部下に指示を出し、麻薬取引からスーパーの経営、建設会社の経営など経済活動も派手にやっていて、イタリア警察はこの男の支配下にある企業の資産€30億(4,500億円)を没収しているが、この1月ついに逮捕された時の男の資産は€40億(6,000億円)を下らないと言われており、彼の逮捕・資産没収はイタリア国家の財政に少なからず貢献することになる。

 

 1980年代、イタリアのmafiaは力が強すぎて、警察の力が及ばないと言われていた。Mafiaを退治すると公言した警察のtopはことごとくmafiaに消されてしまい、mafiaに対峙するのは文字通り命がけだった。1992年、Palermoでmafia絶滅を指揮していて、300人以上のmafiaを摘発したGiovanni Falcone及びPaolo Borsellinoの二人の判事の車に爆弾を仕掛けて殺害した事件が起こり、当時のCosa Nostraの親分Salvatore Riinaの忠実なシモベDenaroは実行犯のひとりだ。

 

 Salvatore Riinaは1993年逮捕され終身刑、2017年11月87才で死亡したが、Cosa NostraはボスがLeoluca Bagarella, Bernardo Provenzano, Salvatore Lo Piccoloなど何代か代わって、2008年頃から潜伏中のDenaroが親分に昇格していた。しかし、潜伏中の身なので、殺人などの実行はせず、商社の経営者のような経済活動を中心に進めていたという。金がなければ人は寄ってこないから、違法な経済活動でも何でもやる。金が集まれば失業中の人が集まる。闇バイトで金を必要とする若者を使うルフィのようなものなのだろう。Denaroは潜伏中に付き合っていたFrancesca Alagnaとの間の娘Lorenza Alagna(1995年生まれ)を、今回逮捕されてから認知したので、父Matteo Messina Denaroの相続人となったLorenzaはL’Aquilaの病院に父の遺体を引き取りに来たという。但し、ほとんどの遺産は国家が没収することになりそうだ。