アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

Trumpに群がる弁護士らの末路

 4回も起訴されている米前大統領Donald Trump、しぶとく裁判でうその供述を繰り返し、事実を架空の作り話に仕立て上げようとするのは、腕のいい弁護士の仕事だが、今や彼はその弁護士の調達に苦慮しているという。それもそのはず、今までの彼の弁護士は、ことごとく裁判で訴えられ、とんでもない金額の損害賠償を請求されているため、彼らは検察と司法取引をして、事実を話す見返りに自分の罪は問わないと約束してもらっているのだ。

 

 Trumpが現役の大統領だった頃の弁護士Michael Cohenは、今や反Trumpの急先鋒としてすっかり検察側に付き、Trumpが金融機関から有利な条件で融資を受けるために資産評価額を大幅に水増しした経緯を裁判所で証言した。2020年大統領選の結果を覆そうと計画したTrumpに協力した弁護士John Eastmanは、弁護士倫理違反の疑いで裁判所の審理を受けており、裁判の結果次第では、弁護士資格を失う可能性もある。現役大統領だったTrumpは、弁護士たちに倫理と先例を無視せよと命令したからだ。

 

 2020年大統領選でGeorgia州の選挙結果に干渉した容疑でTrumpと共に起訴されたSidney Powell弁護士は、司法取引をして、Trumpの指示があったことを認め、Trump有罪を認めた。寝返った弁護士たちは、Trumpからは冷たくあしらわれ、「あんな奴は一度たりとも自分の弁護士であったことはない」とまで言われている。現役大統領だったTrumpの強力な弁護士だったSteve Bannon, Rudy Giuliani, Mike Lindellの3人も、2020年大統領選挙結果に関し、嘘の供述をしたとして起訴されているが、皆、刑事・民事で訴えられている件数が多いために、それなりの弁護士を雇わざるを得ず、その弁護士代の支払いで火の車だ。Rudy Giulianiに至っては、支払期限到来済みの弁護士費用だけで$140万(2.1億円)となっており、当初の約束では、その費用はTrumpが払うはずだったが、Trumpが約束を守るとは考えられず、払ってもらえなければ自分で払うか自己破産するしかない。

 

 要するに、現役大統領だったTrumpに認められてTrumpの味方をした弁護士らは、Trumpが現役だった間だけいい思いをさせてもらったが、失職した後は、裁判だらけの人生に代わり、元の親分は面倒見がめちゃくちゃ悪いため、結果的には、ほぼすべての弁護士が、Trumpと関りを持たなければよかったと反省している。そのTrump自身は、4件の起訴で百数十の裁判を抱えているが、もう有能な弁護士は一人も来てもらえない。実績も失うものもない経験不足の弁護士に囲まれて、Trumpは孤独な裁判を戦わざるを得ないのが実態のようだ。