アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

イタリア最強のmafia集団に対して初判決

 ‘Ndrangheta(ンドゥランゲタ)という名のイタリア最強、欧州最大のmafia集団がある。Italia半島のつま先部分に当たるCalabria州に本拠地があり、欧州のcocaine市場の80%を支配する、世界で最も危険な犯罪組織だ。‘Ndranghetaの年間収益は$600億(9兆円)を下らないと言われていた。

 

 南Italiaの政治・社会全般に幅広い影響力を持っていた‘Ndranghetaの構成員から関係者など数百名が2019年末までに拘束され、3年の年月を経て裁判が行われ、この度、その200名強に第一審の判決が出た。平均禁錮10~11年、単純合計で2,200年超の禁錮刑となる。裁判の過程で、mafiaが南Italiaのみならず国政にも深く入り込んでいた実態が明るみに出た。弁護士で元上院議員の被告Giancarlo Pitelli(判決は禁錮刑11年)に至っては、‘Ndranghetaの一員であることを隠して元Italia首相であったSilvio Berlusconiの政党Forza Italiaに所属していて、‘Ndranghetaが合法的な経済と国家機関に入り込むため尽力していたというから、いわばmafiaがItaliaの政治を乗っ取っていたというものだ。

 

 Pitelliの他にも政治家や公務員・政府高官などが今回の裁判で有罪になっており、このmafia集団がいかに幅広くItalia全土に強い影響力を持っていたかがわかる。3年以上に及ぶ裁判で明らかになった彼らの罪状は、殺人、恐喝、麻薬取引、高利貸し、職権乱用、資金洗浄などだが、活動の場所はItaliaや欧州に限らず、南米やAustraliaなど世界中だ。

 

 ‘NdranghetaのbossはLuigi MancusoというMancuso一族の親分、このMancuso一族はCalabria州Vibo Valentiaという町を支配していたが、2016年から2019年にかけてItalia警察が大規模な強制捜査に踏み切り、警官約2,500人を投入して、Mancuso一族をほぼ全員拘束することができた。それ以前は、Mancuso一族、’Ndranghetaに逆らおうものなら、玄関に死んだ仔犬やヤギの頭を置かれたり、車に放火されたり店舗を破壊されるなど、徹底的に嫌がらせをされたので、人々は従うしか選択肢がなかったという。

 

 このItalia最大規模のmafiaは、墓地の礼拝堂に武器を隠す、救急車を麻薬運搬に使用する、大麻栽培のために公共の水道を迂回させるなど、やりたい放題のことをやっていたことが、裁判で明らかになった。これまでmafiaの報復を受けて命を落とした警官・裁判官など計り知れない犠牲者を出してきたが、ようやくItaliaも最大のmafia集団を制御できるようになりつつあることは、遅ればせながら喜ばしいnewsだ。