アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

自己破産したTrumpの元顧問弁護士

 2024年は4年に一度の米大統領選挙、共和党からまたDonald Trumpが出馬しそうだが、そのTrumpの顧問弁護士を務めていたRudy Giuliani(79才、元New York市長)に対し、Washington連邦地裁は$1億4800万(約210億円)の支払を命じた。2020年大統領選でGeorgia州の選挙結果を覆そうと画策したTrumpに協力し、嘘の供述をしてGeorgia州の元選挙管理職員2人(父娘)の名誉を毀損し、その命を危険に曝したと認定されたのだ。Giulianiは、支払期限到来済みの自分の弁護士費用負債だけで$140万(2億円)あり、当初の約束では、その費用はTrumpが払うはずだったが、Trumpには払う意思がない。そのうえ、今回の判決で210億円の支払いを請求されて、GiulianiはNew Yorkの裁判所に自己破産を請求した。

 

 彼の申告によれば、自分の資産はせいぜい$100万~$1,000万(1.4億~14億円)というから、自己破産は驚きではない。自己破産をされたら債権者は30日後に財産を差押さえることができるが、30日あれば自己破産した者が自分の財産を隠す時間的余裕ができるので、裁判所は今回、即、差押さえることができると判示した。GiulianiはFloridaとNew Yorkにcondominium(マンション)を所有しており、これらは差押さえられることになる。

 

 Giulianiほどの「優秀な」弁護士で実績のある政治家が、なぜ、弁護士資格を剥奪され、自己破産に至ったのか、それは、彼は野心家だったからだと思う。弁護士から転身して1994年、50才でNew York市の市長になり2期8年勤めた。その後、上院議員に立候補するもHillary Clintonに負けて落選、その原因は自身の不倫(その後離婚)が公表されて逆風が流れたからだ。2008年大統領選挙では予備選に出るも早々と敗退、2016年大統領選挙で自身が推薦するDonald Trumpを応援して、TrumpはかろうじてHillary Clintonに勝利する。JulianiはTrumpの顧問弁護士としてTrumpを利用しようとし、TrumpもGiulianiを頼りになる顧問弁護士として使ってきた。

 

 Giulianiは、現在Dominion Voting Systemから$13億、Smartmaticから$27億の名誉棄損の損害賠償を請求され、裁判は現在進行形だ(合計$40億≒5,600億円)。両社の投票機械にはTrump票をBiden票に差し替えるalgorithm(自動計算system)が組み込まれていて不正だと、ありもしないことを正々堂々とテレビで発言するなど、何の根拠も示さずに主張して、Trump票が盗まれた、Trumpが本当の勝者だったとする。自己破産したのだから200億円でも5,600億円でも何でもこわくない。憐れなのは、79才の元弁護士・NY市長が、Trumpごときアホにうつつを抜かし、善悪の判断を逆転してまでアメリカの大統領に近づこうとしたことだった。